97%の2階建て木造住宅が構造計算されていない。

4号特例とは

法律で定められている構造計算は、① 許容応力度計算(ルート1) ②許容応力度等計算(ルート2) ③保有水平耐力計算(ルート3) ④その他(限界耐力計算・時刻暦応答解析) 、以上の4つに大きく分けられます。
木造住宅においては①の構造計算をすることが可能なのですが、4号建築物(※)で建築士が設計したものは建築確認申請の審査を省いて良い、ということになっています。

※木造2階建てで延べ面積が500m²以下のもの

4号特例の廃止を求める声

2018年1月17日の日刊木材新聞に記載がありました。木造住宅の耐震性向上の記事の中で4号特例廃止を訴える声が上がっています。

エンドユーザーにとって「4号特例」というと難しく聞こえ敷居が高いと思います。簡単に書くと「木造住宅(2×4工法含む)2階建ては構造計算しなくてよい」という特例です。

建築基準法では「構造計算」は義務となっています。おそらく皆さんも「構造計算は当たり前」だと思ってらっしゃるでしょう。しかし、上記のように特例が設けられており、日本で建築されている木造住宅の97%は「構造計算されていない」とも言われています。

さらに住宅メーカーに代表される「型式認定」も工法の認定を得ることで、法律が定める構造計算をしなくても建てることができます。

「構造に根拠を持つ」ということはお客様のためにあることですが、建てる側の理屈で特例が設けられている、ということが事実です。

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プロでも知らない構造計算のうんちく

「構造計算しますから大丈夫ですよ」の落とし穴。

住まいを建てる時、お客様はあたりまえに耐震性のことが気になると思います。「構造計算しますから大丈夫ですよ」と説明され、「今どきの建物ならきっと大丈夫だ」と信用していることと思います。

しかし、木造戸建てにおいて法律で定められた構造計算は「許容応力度計算」のみ。それ以外の「計算」は「構造計算」ではありません。壁量計算、n値計算、そういったものが「構造計算」という言葉に置き換えられお客様に住まいが提供されているのです。

また残念ながら、建築や不動産の営業マンが前述の構造計算そのものの違いを知らずに、n値計算などを構造計算だと信じて構造計算をしているとお客様に説明していることもあるのです。

三浦製材では、2階建であっても全棟「許容応力度計算」を行った構造設計を提案しています。

※限界耐力計算は特殊なのでここでは説明を省略