お手入れと修理の違いとは

ストレスフリーな住まいへの近道。

ストレスの少ない住まいに。

 無垢材や自然素材で仕上げたりすると、傷や汚れが気になります。
 ですが、無垢材などにつく傷や汚れは「気にならなくなる」というお声が多いのです。それは直そうと思えば直せるから。

 直せると思えばいつでも直せる。そのおかげでストレスのたまらない生活が得られるのです。反対にイヤなのは「修理する」「リペアする」ということ。「お手入れ」と「修理・リペア」は実は意味が違います。

 最初はとても美しくても、「痛む・劣化する」もので仕上げてしまうと、結果的にリペア代、交換代もかかり不経済です。「快適な暮らし」と銘打ち、気に入って購入した住まいなのに、「傷をつけてはいけない」という無意識のストレスが日常であれば、それは「快適な暮らし」ではありません。

モチベーションは「嬉しい!」です。

ローメンテナンス=メンテナンスの必要な箇所が少ない。

 長期優良住宅に代表されるようにメンテナンスは住まいにとって必要な行為です。しかし、逆の言い方をすれば短い寿命のものを使用したり、将来高額なメンテナンスを必要とする家を「当たり前」にしてしまっていいのでしょうか?

 お手入れと修理は違うもの。傷んだり、寿命がきたものの取替を「メンテナンス」ということに置き換えずに、住まいのお手入れが嬉しい住まいこそ本当ではないでしょうか?

 修理・リペアのモチベーションは、それをしないと「困るから」。お手入れのモチベーションは、それをすることで「楽しい・嬉しい」という喜びが得られるからです。

長期優良住宅は良い制度です。

定期的にメンテナンスを行い、住まいを修繕し、維持管理に努める。
高精度な工業化の意識が高い日本の文化の中で、住まいのメンテナンスを凡事化したこの制度には、長らく続いたスクラップ&ビルドからの脱却を目指した国の本気度がうかがえます。
また、維持管理される住まいを認定し、世にストックされていく中古住宅の良し悪しを客観的に判断できるという資産価値を付加したことも称賛に値します。

ただ「失われた500兆円(※1)」というキーワードが長期優良住宅制度の根幹でもあり、その実態は経済政策。「リフォーム、リノベーションにお金をかけて!」ということも事実です。
新築住宅の着工棟数が後年激減することを鑑み、住宅の維持管理費用を経済効果として見込んでいるのです。
悪いことではないのですが、住宅会社はそれを逆手にとり「自動的にリフォーム工事が受注できる」という営業を考えているのも現実です。

※1「失われた500兆円」
1969年以降の日本の住宅において投資された額と現状の住宅資産の差額が約500兆円にのぼるという試算。修理保全に投資を行わない日本の住宅文化において失った経済効果を指す。

ドイツなどでは修補・改善履歴のある住宅、要するに手を加え付加価値を上げた住宅は、新築住宅よりも高い金額で取引され、実際の値打ちに合わせ資産価値が比例する。

一方で日本の住宅文化に於いては、いかに手を加えようとも市場では償却資産と査定され、購入時や建築時の価格を超えることは皆無。