― 耐震性と長持ちを両立 ―

構造計算や構造躯体が気にならない人はいません。しかし耐震性能を構造性能だけで考えてしまうと後悔をするかもしれません。性能以外に目を向けたことはあるでしょうか。工学的な性能に自然素材をうまく使うことで耐震性能を高くする。そんな方法があるのです。

1. ホウ酸による防蟻処理

・ホウ酸は自然素材です。
・無機物で揮発もせず安心。

 シロアリが原因で家は倒れます。どんなに耐震性能が高くてもシロアリに負けた家の耐震性能は「0」です。しかし防蟻処理を継続して行う人の割合は高くありません。
 また、防蟻処理に使う薬(農薬)の薬効期間は短く、体にも悪いので高頻度で更新するのは避けたい。けれどシロアリは心配。
 そんな時、ホウ酸で処理をすることで長い保証と安心が得られます。
 ホウ酸は無機物です。腐ることや劣化することがないので、有機溶剤のような薬効減少の心配と人体への影響が皆無です。

2. 構造材にもっと気をつかう

・木造住宅を法隆寺で語るのはナンセンス。
・京都の木を使うメリット。

構造材にどれほどの熱量で向き合ってらっしゃるでしょうか。プロでも知らない木材の事実があるのです。
重要文化財などの歴史的建造物が長持ちしているのは「木造建築」だからではなく「本来の木材の性能を持ったままの材料を使った木造建築だから」です。
また、京都の木を使うことで、私たちはお客様にトレーサビリティと目利きというサービスの提供が可能になります。

・トレーサビリティ

国産の木だから長持ちする。京都の木だから丈夫な家ができる。そんなことはありません。私たちが京都の木を採用する訳は、誰が生産し、誰が選別し、誰が加工したのか、それを知るため。そのために京都の木を採用しています。

・目利きという安心 

67年に渡り製材業に携わった木材の専門家として提供できるサービス「木の目利き」。
一本一本の木をチェックする「目利き」は木材を扱い、建築するために必要不可欠な能力。せっかくなら、そんな目で選ばれた樹々で建ててみませんか。
三浦製材ではプレカットに材料を送る前、材料の良し悪し、選別を自ら行いお客様の構造材として提供しています。

3. 重要文化財に使う木材

・国道交通省と文部科学省の違い
・重要文化財には高温乾燥材を使っていない

国土交通省(建築基準法)では建物に使用される木材の品質には「腐っていないこと」など最低限のことしか言及していません。
一方、文部科学省管轄の歴史的建造物の補修等においては、品質への法的言及はありませんが維持保全の観点から「天然乾燥材または低温乾燥材を使用」など仕様書に記載されます。
要するに「高温乾燥材を使用しない」ということ。
国の建物には採用されない木材が一般住宅では使用されている事実があります。

・ドライングセット(高温セット法)

見た目には高温乾燥材は綺麗なのですが、内部が破断してしまいます。私たち三浦製材は内部割れを起こさない超低温乾燥材e-BIO(イービオ)をお客様のお住まいに採用しています。

東大寺総合文化センター建設時の「低温乾燥材」使用確認。

超低温乾燥材e-BIO(左)と高温乾燥材(右)の内部割れ比較

35℃超低温乾燥材

e-BIO(イービオ)の強度

一般的なKD材(高温乾燥材)と弊社オリジナルの構造材「e-BIO(イービオ)」の強度比較。構造柱を同じ厚みにスライス。建築のプロの方々に手で割ってもらいました。

工務店が多数集まるイベント会場で

なんの仕掛けもありません。KD材は「市場に流通している最も多く使われている構造材」です。

ちょっとひと休み

JAS構造材を採用するのは良いことだと思います。JAS材を採用!と強く宣伝している住宅会社もありますが、実はJASの区分には「目視等級」と「機械等級」があり、構造材の強度が証明されているのは「機械等級」。
目視等級は文字通り目視により区分するもので強度を証明しているものではありません。

乾燥法による構造材の特徴の違い

4. 構造計算をする

・2階建ては構造計算をしなくていい、という特例がある。
・一人歩きしている「構造計算」という言葉

木造(2×4含む)2階建住宅には構造計算をしなくていいという特例があります(4号特例)。この特例により木造住宅のほとんどは構造計算されていません。
住宅メーカーの鉄骨やプレハブ住宅なども「型式認定」という制度を利用しており、構造計算をしているわけではありません。
2階建て木造住宅の約97%が構造計算されていないとも言われており、「n値計算」「壁量計算」を構造計算だと間違って認識しているケースも多く見受けられます。
三浦製材では「許容応力度計算」という法律に定められた構造計算をおこなうことで、工法で悩まなくてよい安心をお届けします。

構造計算は法律で定められています。

基礎工事

構造計算をしているのか、していないのか。基礎工事を見ると良くわかります。

97%の2階建て木造住宅が構造計算されていない。